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「移住者の声」 ~海田さんご家族(八多町深谷)~


2021年に八多町深谷の古民家に移住した海田さんご家族。

明裕さん・喜久枝さんご夫妻と長男の仙太朗くん(4歳)の3人家族に「移住のきっかけ」や「八多町での暮らし」についてお話を聞きました。

Q.移住前の生活について

(喜久枝さん)
北区の鹿ノ子台で4~5年住んでいましたが、子供が産まれ、引っ越しを考えるようになりました。
もともと私が愛媛県の出身で「自然や環境に恵まれた場所で子育てをしたい」という思いが強く、いろいろな地域を見てみようと、北神地域の児童館や幼稚園、地域福祉センターの行事に参加していました。そんな中で、八多町の児童館に通うようになり、環境の良さや、地域の方・職員の方にとても良くしていただいた事などがきっかけとなって八多町に住みたいと思うようになりました。
不動産情報を探しても住みたいエリアに物件はありませんでしたが、児童館や八多ふれあいセンターの子育て広場で会う方々に「この辺に住みたい」と相談していたところ、センターの職員さんから「ちょっとアテがあるから聞いてみるわ」と親身になって相談に乗っていただき、この家に巡り会いました。



Q.移住までのアクションは

(喜久枝さん)
2020 年7月に物件を見学しました。一目見た瞬間に「ここがいい!」となりましたね。後から知った話ですが、神戸市の茅葺の冊子にも載るような立派な古民家でした。すぐに所有者の方と契約の手続きに入り、2020年9月から移住に向けた拠点整備を開始しました。約10年間空き家だったので、コウモリやアライグマの住処になっていたり、天井が落ちたり、床が抜けたり、生垣が伸びて建物が半分隠れているような状態でした。
移り住む事が決まってから、八多出張所や農村定住促進コーディネーターさんにリフォームに関わる助成金のお話や移住にあたってのアドバイスなどをいただきました。

(明裕さん)
12月に大工さんに入ってもらうまでに、生垣を綺麗にしたり、木を切ったり、自分たちでもできることを1つずつ終わらせていきました。それなりの改修が必要でしたが、自分たちで屋根裏に断熱材を敷いたり、壁を塗ったり、床を貼ったりと大変でしたけど、手間をかけた分、愛着がわきました。薪ストーブを調達したり、ウッドデッキを作ったり、描いていたイメージが形になっていく時間がとても貴重な時間だったと思います。年が明けて、2021年2月に改修が終わり、移住生活がスタートしました。



Q.移住後の生活について

(喜久枝さん)
移住前からまちの様子もよくわかっていたので、不便さは全く感じませんでした。
買い物は関西スーパーやマルハチによく行きますが、どちらも車で 10 分ほど。息子の保育園のお迎えのついでに寄れます。北神戸グリーンガーデンモールには、ホームセンターやドラッグストア、 スーパー銭湯もあり、日常生活に必要なものは大体揃います。
少し気が早いですが、息子が通う予定の八多小中一貫校の取り組みにも期待しています。

(明裕さん)
移住前によく、ホームセンターでDIYの道具や材料を買いました。1日何往復もし ましたが、車で片道 10分の距離にあるのはありがたかったです。あと、私が野生動物調査の仕事をしていて、近畿圏全域~中国・四国地方まで遠方に行くことも多いですが、高速のインターが近いので 助かっています。吉尾インターから三宮行きのバスもあり、30分で市街地に出られるので、交通の便 はとてもいいです。



Q.住み心地はいかがですか

(喜久枝さん)
とても快適です。自然環境は子育てにもいいし、大声を出しても子供が騒いでも全く気にしなくていい生活が最高です。
ご近所の方にも親切にしていただき、散歩していても気軽に声をかけてくださいます。
気分はのんびりですが、草刈りやストーブの薪づくりで思ったよりも忙しいです。小型耕運機やチェーンソーも購入し、前の畑で家庭菜園もしています。
鶏骨鶏も飼っているんですが、先日、ヒヨコが産まれて息子もとても喜んでいました。こういった体験も、「移住したからこそできたものだなぁ」としみじみ感じています。

(明裕さん)
先日、横浜の実家に帰省しましたが、あらためて八多町の環境の良さを実感しました。
仕事柄、いろんなところに行きますが、この家が一番落ち着きます。春にはご近所から筍をいただき、夏は思う存分花火ができて、秋は黄金色の稲穂が風に揺られる音に癒され、冬は薪ストーブでピザざんまい。
四季の移ろいを楽しみながら暮らしています。



Q.八多町のお気に入りスポットは

(明裕さん)
うーん、自宅が快適すぎて、休日もあまり外に出ないんです(笑)
強いて言うなら、「自宅から見える田んぼや畑・山といった自然の景色」でしょうか。
自然環境が良くないと見れない生き物にも出会えて嬉しいです。

(喜久枝さん)
同じく、自宅が一番好きです!
家を一歩出ればトンボやバッタ、カエルとりができ、息子もイキイキしています!



Q.「もっとこうなったらいいな」と思うところはありますか?

(明裕さん)
会社の携帯電話がauなんですが、電波が入りにくい時があります。それ以外は、不満はありません。

(喜久枝さん)
不満ではありませんが、コロナ禍で地域のお祭りや行事が少なくなっているのはさみしく思っています。


Q.最後に、移住を考えている方にメッセージをお願いします

 (喜久枝さん)
私たちは、いい家を紹介してもらえたことも、そこが素晴らしくいい環境だったことも、周りの方々にも恵まれてよくしてもらっていることも、全部含めて、巡り合わせやご縁があったと感謝しています。
いま移住を考えている方も、実際に足を運んで、地域の人たちと触れ合って、生の声を聴いてみるのが一番だと思います。私たちは地域に入っていく身ですので、その地域の風習や考え方を理解しようと心がける事が大切だと思います。



移住者を受け入れた地域の声

実際にお会いするまでは地域としても「うまくやっていけるかな」と不安がありましたが、今となっては海田さんのようなご家族に移住してきてもらって本当に良かったと感じています。
自治会などの地域集会にもよく顔を出していただき、顔の見える関係性を築こうとする姿勢は、地域としてとてもありがたいです。
消防団や地域の草刈り、里山の保全活動にも積極的に取り組んでいただき、長年この地区に住んでいる私たちのほうが見習うことが多いです。
また、地域の子どもにとっても友達が増えたことはいいですし、子どもの笑い声が聞こえるのは心がホッとしますね。ご主人は動物や環境の専門家なので、いろんなことを教えてもらってます。
田舎は閉鎖的なイメージもあり、海田さんも移住前は不安があったと思いますが、深谷を選び、勇気を出して移住してくれたことに感謝しています。
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